江華島(カンファド)の南、吉祥(キルサン)面の温水里(オンスリ)。村の丘の上に、瓦屋根をいただいた聖堂があります。江華 温水里聖公会聖堂は、1906年にイギリス人司祭マーク・トロロープ(Mark Napier Trollope、韓国名:趙マガ)が建てた韓屋の聖堂です。外観は郷校や官庁とほとんど変わりませんが、棟の端の十字架と内部の礼拝空間が、ここが教会であることを教えてくれます。正式名称は大韓聖公会ソウル教区の聖アンデレ聖堂です。
トロロープ司祭は、1890年に来韓した大韓聖公会初代主教コルフ(Charles John Corfe)とともに宣教に取り組んだイギリス人司祭で、1896年に江華へ赴任しました。聖公会は江華島で比較的順調に根づきました。温水里では、イギリス人医師ローズ(A. F. Laws)が診療所を開き、年間3,000人を超える患者を診たことをきっかけに信者が増えたといいます。聖堂は、イギリスからの宣教資金ではなく、信徒たちが自ら土地を提供し、建築費を出し合って建てたと伝わります。江華産の松を使い、村人にとってなじみ深い伝統建築の様式にならいました。
聖堂の隣の司祭館は、トロロープ司祭が1898年に建てた家で、老朽化のため1933年に元の姿のまま建て直されました。コの字型の一重の家で、イギリス人司祭が韓屋に暮らしながらどのように生活様式を合わせたのか、大工たちがイギリス人の注文を伝統技法でどう形にしたのかがうかがえます。そのため、聖堂とは別に仁川市の有形文化遺産に指定されています。